助成金・補助金2026.04.16

岐阜県でAI研修に使える補助金・助成金ガイド【2026年度最新版】

市の補助金に潜む落とし穴と、確実に使える国制度の申請窓口をまとめて解説

岐阜県でAI研修に使える補助金・助成金ガイド【2026年度最新版】
高田健太

PLUS IMPACT株式会社 代表取締役

まず結論 — 岐阜県の中小企業が確実に使える制度は国の人材開発支援助成金

「岐阜県内でAI研修に使える助成金を調べている」という方に、最初にお伝えしておくことがあります。

岐阜市や大垣市の市独自補助金が検索結果に出てきますが、これらは基本的に民間AI研修業者の研修費には使えません。対象がソフトピアジャパン(大垣市の公益財団法人)の実施研修に限定されているためです。

民間のAI研修を助成金で受けたい場合、頼れるのは国の制度——人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」です。中小企業であれば経費の75%が助成されます。愛知(名古屋)の企業と同じ制度を、岐阜労働局を窓口として申請できます。


国制度|人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース

岐阜県内の中小企業が使える助成制度の中で、民間AI研修に直接使えてかつ金額が最も大きいのがこれです。厚生労働省の公式情報をもとに、実際に申請するうえで必要な数字と手順を整理します。

助成率・上限額の早見表

区分 経費助成率 経費助成上限(10〜100時間未満) 賃金助成(1人1時間あたり)
中小企業 75% 30万円/人 1,000円
大企業 60% 20万円/人 500円

賃金助成の単価は令和7年(2025年)4月の制度改正で960円から1,000円に引き上げられました。古い情報には「960円」「800円」と書かれているものもありますが、現在の正しい数値は1,000円/時間です。

具体例で見る——Zoomライブ研修・中小企業1名の場合

PLUS IMPACTの基礎研修は2日間・11時間のZoomライブ形式で、受講料は380,000円/人です。助成金を申請すると:

  • 経費助成: 380,000円 × 75% = 285,000円
  • 賃金助成: 11時間 × 1,000円 = 11,000円
  • 合計助成額: 296,000円(実質負担 84,000円 / 約22%

38万円の研修が、実質8.4万円で受けられる計算です。5名でまとめて受講する場合は経費合計1,900,000円 → 経費助成1,425,000円 + 賃金助成55,000円 = 実質420,000円(84,000円/人)となります。この数字は、岐阜市や大垣市の市補助金(上限5万円)をはるかに超えた規模の支援です。

国制度の助成率・申請ステップをさらに詳しく知りたい方は、AI研修 助成金の制度説明と申請ステップ完全ガイドもあわせてご覧ください。

使える研修の条件(OFF-JTとは)

対象になる訓練は「OFF-JT(事業外訓練)」、つまり社外の研修事業者が企画・実施するプログラムです。製造現場でのOJT(現場指導)は対象外ですが、外部業者が提供するZoomライブ形式の研修はOFF-JTとして申請できます。

注意が必要なのは、eラーニング(録画コンテンツの視聴型)Zoomライブでは助成上限が異なる点です。令和8年(2026年)4月8日の改正から、eラーニング・通信制訓練の経費上限は中小企業で15万円/人に引き下げられました。一方、PLUS IMPACTのようなZoomライブ(双方向・同時参加型)の研修は通学制と同じ扱いとなり、30万円/人の上限が適用されます。研修の形式が「録画視聴か、ライブ参加か」で助成額が大きく変わるため、申し込む前に確認しておく価値があります。

令和7年(2025年)4月にかつての「事前確認」制度は廃止されました。今は計画届を研修開始1ヶ月前までに提出するだけでよく、事前確認取得済みの事業者に絞る必要もありません。以前に比べて申請への入口は広がっています。

令和8年度(2026年度)が時限措置の期限——今動く理由

リスキリング支援コースの時限措置期限は令和9年(2027年)3月末です。「まだ1年以上ある」と思いがちですが、研修を令和8年度中に終えるには計画届の提出が令和9年2月頃までに必要になります。2026年内に研修を始める場合、計画届の提出期限を逆算するとすでに余裕は少なく、制度延長が正式決定される前に現行ルールで動くのが確実です。


岐阜県独自の補助金・支援制度

国の助成金と並行して確認しておきたいのが、岐阜県・市町村独自の制度です。ただし、使える条件は国の制度と大きく異なる——特に「誰の研修費が対象か」という点で落とし穴があります。

ぎふ地域DX推進補助金(補助率1/2・上限100万円)

岐阜県が令和7年(2025年)度に実施した「ぎふ地域DX推進補助金」には、「デジタル人材育成事業」という区分があり、研修費が補助対象経費に含まれています。補助率は1/2以内、上限は100万円です。

ただし、いくつかの重要な留意点があります。

対象者の要件として、県内法人または団体であることに加え、市町村との連携が前提とされています。個別の中小企業が単独で申請するというより、地域課題解決型のプロジェクトとして取り組む形が想定されている制度です。

それ以上に確認が必要なのは、民間研修事業者の研修費が対象経費に含まれるかどうか——公式ページには明記がありません。令和7年(2025年)度の第1回募集はすでに締め切り済みで、制度内容は年度ごとに変わります。

活用を検討するなら、まず窓口に電話して「民間研修費は対象か」を確認するのが最短ルートです。

  • 申請窓口: 岐阜県デジタル戦略推進課(デジタル推進係)岐阜県庁7階
  • 電話: 058-272-1111(内線2724、2726)

岐阜県よろず支援拠点・ぎふDX支援センター(無料相談窓口)

「補助金の種類が多くて自社に何が使えるかわからない」という場合、まずはこれらの無料窓口に相談するのが現実的です。

岐阜県よろず支援拠点は、経営全般の無料相談・助言を提供する公的機関です。補助金申請の相談にも応じてくれます。所在地は岐阜市薮田南5丁目14-53 OKBふれあい会館10階、電話は058-277-1088(平日8:30〜17:15)です。

ぎふDX支援センターは、岐阜県がDX推進のために設置した支援窓口で、デジタル戦略推進課(058-272-1111)が問い合わせ先です。


岐阜市・大垣市の市独自補助金——「ソフトピアジャパン限定」に注意

岐阜市と大垣市にはそれぞれDX研修向けの補助金があります。検索すると上位に出てくるため「使えそう」と思う方も多いのですが、どちらも民間AI研修業者の研修費には使えません。この点をまず押さえてください。

岐阜県の補助金3層比較 — 民間AI研修への適用可否

① 国制度(厚生労働省)
人材開発支援助成金
事業展開等リスキリング
補助率: 75%(中小企業)
上限: 30万円/人
✅ 民間AI研修 対象
② 県制度(岐阜県)
ぎふ地域DX
推進補助金
補助率: 1/2
上限: 100万円
⚠️ 要窓口確認
③ 市制度(岐阜市・大垣市)
DX人材育成
支援補助金
補助率: 1/2
上限: 5万円
❌ ソフトピア限定
民間AI研修(PLUS IMPACT等)に使えるのは ①の国制度のみ

岐阜市中小企業等DX推進補助金(上限5万円)

岐阜市が設けているDX推進補助金のうち、「DX・IT研修事業」の区分は補助率1/2・上限5万円です。しかし、対象となる研修はソフトピアジャパンが実施するDX・IT研修の受講料のみと明記されています。民間のAI研修事業者が提供する研修費は対象外です。

「イノベーション研修事業」という区分は上限10万円ですが、こちらはテクノプラザ実施研修が対象です。民間AI研修費は同様に対象外です。

  • 申請窓口: 岐阜市商工課工業振興係
  • 電話: 058-214-2359
  • 募集期限: 令和9年(2027年)2月26日まで随時受付(予算額到達次第終了)

大垣市DX人材育成支援(上限5万円)

大垣市の「企業DX支援事業補助金」に含まれるDX人材育成支援も、補助率1/2・上限5万円です。対象経費はソフトピアジャパンが開催するDX・IT研修の受講料に限定されています。さらに、研修申込前に交付申請が必須というルールがあり、申込後の遡及申請は対象外です。

  • 申請窓口: 大垣市経済部産業振興室(6階)
  • 電話: 0584-81-4609
  • 募集期間: 随時受付(予算額到達次第終了)

ソフトピアジャパン研修を使う場合の活用方法

岐阜市・大垣市内に事業所がある企業であれば、市補助金と国の人材開発支援助成金を組み合わせること自体は可能です。ただしソフトピアジャパン研修の受講料は1日8,800〜15,400円程度で、規模の大きなAI研修プログラムを賄える金額ではありません。

PLUS IMPACTのような民間研修で本格的にAI活用を進めたい企業には、市補助金をあてにするより、国の人材開発支援助成金(75%経費助成)を直接活用するほうがシンプルで、金額も圧倒的に大きくなります。


岐阜労働局への申請の流れ

岐阜県内の事業所が申請する場合、窓口は岐阜労働局です。愛知や三重と窓口が違うだけで、制度の中身は全国共通です。

申請窓口の場所と連絡先

窓口所在地電話
岐阜労働局助成金センター 〒500-8723 岐阜県岐阜市金竜町5-13 岐阜合同庁舎
ハローワーク岐阜(案内・相談) 岐阜市五坪1-9-1 岐阜労働総合庁舎 058-247-3211

雇用関係助成金ポータル(esop.mhlw.go.jp)からの電子申請も使えます。岐阜市内や各務原・関方面から岐阜合同庁舎まで書類を持参するのは手間がかかりますし、電子申請なら時間を問わず提出できます。

岐阜労働局の公式情報でも最新の手続き情報を確認できます。

申請5ステップ

申請スケジュール — 研修前から受給まで

1

研修開始 6ヶ月〜1ヶ月前

① 職業能力開発推進者を選任する

社内で助成金担当者を正式に選任。雇用保険適用事業主であれば要件を満たす。

2

研修開始の 1ヶ月前まで ★最重要

② 訓練実施計画届を提出する

岐阜労働局へ計画届を提出。これを忘れると助成金が受け取れない。事前確認制度は2025年4月に廃止済みのため、計画届の提出のみでOK。

3

研修期間中

③ 研修を実施し、記録・領収書を保管する

出席記録、受講料領収書、研修内容がわかる資料を整備する。

4

研修終了後 2ヶ月以内 ★期限厳守

④ 支給申請書を提出する

研修終了日から2ヶ月以内に提出。この期限を過ぎると申請不可。

5

申請後 約1〜3ヶ月

⑤ 審査・支給

審査期間は約1〜3ヶ月。支給決定後、指定口座に助成金が振り込まれる。

申請の流れや必要書類の詳細については、人材開発支援助成金 コース選択から申請完了まで完全ガイドで段階ごとに解説しています。あわせてご確認ください。


岐阜県×AI研修:ものづくり県が直面するAI活用の課題

岐阜県の産業構造を一言で表すなら「ものづくり県」です。令和3年(2021年)経済センサス(岐阜県)によると、製造業は県内従業者87万7,243人のうち21万8,180人(24.9%)を占め、全産業中最大の雇用を担っています。刃物産地として世界的に知られる関市、航空宇宙産業が集積する各務原市、大垣市のソフトピアジャパンを中心としたIT産業——それぞれに産業特性の異なる企業が、AI活用という共通課題に直面しています。

では、実際にAIはどのくらい使われているでしょうか。岐阜県AI活用中間報告(令和8年(2026年)3月)によると、岐阜県内の中小企業における生成AI導入率は約34%にとどまります。大企業(約56%)、米国(約85%)、中国(約93%)と比べると、差は歴然です。

「何から手をつければいいかわからない」「情報漏洩が心配で踏み切れない」——PLUS IMPACTに相談に来る岐阜の企業からよく聞く声です。ChatGPTやMicrosoft Copilotを契約しているのに、結局ほとんど使われていないという状態は珍しくありません。

製造現場をスマートファクトリー化するには時間もコストもかかります。ただ、生産計画の立案、品質管理の文書化、営業・見積の資料作成——こうしたオフィス業務のAI活用は今日から始められます。何ができてどこに限界があるかを正しく理解することが、最初の一歩です。

名古屋・愛知を拠点とするPLUS IMPACTは、岐阜・三重・静岡への出張研修にも対応しています。愛知・名古屋の助成金活用事例については、愛知県・名古屋市でAI研修に使える助成金・補助金ガイドもご参照ください。


まとめ — 岐阜県の中小企業が取るべき3ステップ

岐阜県の補助金制度を整理すると、民間AI研修に使えるのは実質「国の助成金のみ」というのが現実です。その前提で、確実に実行できる3ステップを示します。

1

国の人材開発支援助成金(75%助成)を確認・申請する

民間AI研修への最大の支援は国制度にあります。まず岐阜労働局(岐阜市金竜町5-13)またはハローワーク岐阜(058-247-3211)に問い合わせ、自社が対象かどうか確認してください。

2

ぎふ地域DX推進補助金の適用可能性を窓口に確認する

県の補助金(デジタル人材育成事業区分、上限100万円)については、民間研修費が対象かどうか公式情報が明確でありません。岐阜県デジタル戦略推進課(058-272-1111 内線2724)に問い合わせ、自社の状況で使えるかを確認してください。

3

岐阜市・大垣市内の事業者はソフトピアジャパン研修との組み合わせも検討する

市補助金はソフトピアジャパン研修限定ですが、基礎的なデジタルスキル研修はソフトピアジャパンで補い、より高度なAI活用研修(ChatGPT・生成AI実務応用など)は民間研修+国の助成金で賄うという組み合わせも選択肢になります。

免責事項: 本記事の補助金情報は令和8年(2026年)4月時点の公式サイト・公募要領をもとに作成しています。補助率・上限額・対象経費・募集期間は年度ごとに変更されます。申請前に必ず各機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 岐阜市のDX補助金でAI研修費は出ますか?

岐阜市中小企業等DX推進補助金(DX・IT研修事業)の対象は、ソフトピアジャパンが実施する研修の受講料に限定されています。PLUS IMPACTをはじめとする民間AI研修業者の研修費は対象外です。民間AI研修には、国の人材開発支援助成金(中小企業75%助成)の活用を検討してください。申請窓口は岐阜市商工課工業振興係(058-214-2359)です。

Q2. 岐阜県でAI研修助成金を申請する窓口はどこですか?

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の申請窓口は、岐阜労働局助成金センター(岐阜市金竜町5-13 岐阜合同庁舎)です。電子申請は雇用関係助成金ポータル(esop.mhlw.go.jp)から可能です。最初の相談はハローワーク岐阜(058-247-3211)でも受け付けています。

Q3. 岐阜の製造業ですが、AI研修に助成金は使えますか?

使えます。人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)に業種制限はなく、製造業も対象です。雇用保険の適用事業主であれば申請できます。中小企業であれば経費の75%が助成され、賃金助成(1,000円/時間)も加わります。PLUS IMPACTのZoomライブ研修(380,000円/人・11時間)の場合、実質負担は約84,000円(約22%)になります。生産計画の効率化、品質管理文書のAI作成、顧客対応文書の自動化など、製造業での活用場面に合わせたカリキュラムのご相談も承っています。


著者プロフィール

高田健太

高田健太(Kenta Takada)

PLUS IMPACT株式会社 代表取締役

丸紅株式会社にてミャンマー海外駐在後、2018年に現地で独立。フードデリバリーサービス「Hi-So」を展開し2度の資金調達を経て拡大するも、2021年の軍事クーデターにより撤退。米国VC「500 Global」およびSTATION Ai(愛知県公式スタートアップ支援拠点)にて東海エリアのスタートアップ・事業会社の新規事業支援に従事後、PLUS IMPACTを創業。名古屋・愛知を拠点に東海4県の中小企業向けAI研修を提供しています。

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