人材開発支援助成金を使ってAI研修を実施したいが、「どのコースを選べばいいのか分からない」「申請手順が複雑で何から手をつければいいか分からない」——名古屋・愛知を中心とした東海エリアの中小企業経営者から、こういった相談を毎月のように受けます。
この記事では2点の疑問に一気に答えます。どのコースを選ぶべきか(答えは1つ)と、どう申請を進めるか(5ステップで完結)です。
さらに、多くの企業が見落としている事実があります。同じ内容のAI研修でも、Zoomライブで実施するかeラーニングで実施するかで、1人あたり40万円(税込)・20名・30時間の場合、助成額の差が360万円にのぼります。 研修形式の選択が、助成金の受取額を直接左右します。
名古屋・東海エリアの中小企業向けにAI研修を提供してきたPLUS IMPACTが、制度の核心を解説します。
【まずここを読む】AI研修を実施する中小企業が選ぶべきコースは1つ
結論を最初に申し上げます。AI研修を実施する中小企業が選ぶべきコースは、「事業展開等リスキリング支援コース」の一択です。
3コースの全体像(60秒で把握)
人材開発支援助成金には、中小企業がAI研修で使えるコースが主に3つあります。
| コース | 経費助成率(中小) | 賃金助成 | 事業展開計画 | 制度期限 |
|---|---|---|---|---|
| 事業展開等リスキリング支援コース | 75% | 1,000円/h(中小) | 必要 | 2027年3月末まで |
| 人材育成支援コース | 45% | 800〜1,000円/h(中小) | 不要 | 恒久制度 |
| 教育訓練休暇等付与コース | 定額30万円 | 6,000円/日 | 不要 | 2027年3月末まで |
教育訓練休暇等付与コースは、従業員が自発的に休暇を取得して学ぶ場合の制度設計向けです。企業主導でAI研修を実施するなら選択肢から外れます。実質的な比較は「リスキリング支援コース vs 人材育成支援コース」の2択になります。
AI研修なら「事業展開等リスキリング支援コース」一択の理由
経費助成率の差が決定的です。75%(リスキリング)対45%(人材育成)——30ポイントの差は、100万円の研修費用では30万円の差になります。
なぜこれほど差があるのでしょうか。リスキリング支援コースは「事業展開・DX化に伴う知識・技能の習得」を対象としており、より政策的な優遇が設けられているためです。
重要なのは、厚生労働省がこのコースの対象として「DX化のためのOFF-JT」を明示していることです。厚労省北海道労働局「DX化・デジタル人材育成のための人材開発支援助成金活用」では、生成AI研修が対象として明示されています。
つまり「AI研修 = DX化のためのOFF-JT = リスキリング支援コースの対象」というロジックが、制度設計上すでに成立しています。迷う余地はありません。
もう1つ、見過ごせない事実があります。リスキリング支援コースは時限措置であり、2027年3月末に廃止されます。75%という助成率を享受できるのは今だけです。特に2026年度が最後の申請機会となります。
コース選択の判断フロー
「それでも自社がリスキリング支援コースで申請できるか不安だ」という経営者向けに、4ステップの判断フローを示します。
コース選択の4ステップ判断フロー
4ステップで判断する選択チャート
STEP 1: 事業展開要件の確認
- AIを活用した新サービス・新商品の提供を予定している → リスキリングコース
- 既存業務にAIを取り込んでDX化を推進する → リスキリングコース(DX化に該当)
- 従業員の一般的なITスキルアップのみが目的 → 人材育成支援コース
東海エリアの中小企業がAI研修を実施する場合、目的はほぼ確実に「DX化」に当てはまります。厚生労働省パンフレット(令和8年4月8日版)p.12-13では、「デジタル技術を活用した業務の効率化や、製品・サービス・ビジネスモデルの変革」がDX化の定義として示されており、ChatGPT導入による業務効率化や生成AI活用による業務プロセス変革はこれに該当します。
STEP 2: 訓練形式の確認
- Zoomライブ(同時双方向型)→ 経費助成(75%)+ 賃金助成(1,000円/h・中小)の両方が対象
- eラーニングのみ → 経費助成のみ(上限15万円/人・令和8年(2026年)4月以降)
STEP 3: 賃金助成の確認
リスキリング支援コースでは、Zoomライブ研修を実施するだけで賃金助成1,000円/h(中小企業)が受け取れます。賃上げ要件の達成は不要です。経費助成75%に加えて賃金助成が自動的に加算されるため、eラーニングと比較して受取額が大きく変わります。
STEP 4: 事業展開等実施計画の作成・提出
コースを選んだら、研修開始の6ヶ月前〜1ヶ月前の間に「事業展開等実施計画(様式第2号)」を管轄の都道府県労働局へ提出します。愛知県なら愛知労働局、岐阜県なら岐阜労働局です。
事業展開等実施計画——実際のハードルは?
率直に申し上げます。この計画書の作成が、リスキリング支援コース申請の最大のハードルです。
ただし、難易度は「高い」ではなく「初回は中〜高程度」が正確な評価です。記載する「事業展開」の内容は大げさな新規事業でなくてかまいません。「オンラインサービスの開始」「QRコードを活用したデジタル化」程度のDX化推進でも要件を満たすことができます。実際に何が事業展開に該当するかは、厚生労働省「人材開発支援助成金」の説明資料や管轄労働局への事前相談で確認することをお勧めします。
AI研修の場合、「ChatGPTを活用した業務効率化の推進」「生成AIによる書類作成・DX化の実施」と記載するだけで十分な根拠になります。
一方で、初回は社労士への相談を強く推奨します。計画書の「事業展開との関連性が曖昧」と判断されると不承認になるリスクがあり、そのリスクは書き方の問題で発生することが多いためです。
【数字で確認】Zoomライブ vs eラーニングで助成額がこれだけ違う
多くの中小企業経営者が「Zoomで研修してもeラーニングと変わらないだろう」と思っています。これは制度上の重大な誤解です。
「同時双方向型通信訓練」とは何か
厚生労働省は、ZoomやTeamsを使ったリアルタイム研修を「同時双方向型の通信訓練」と定義しています。厚生労働省「人材開発支援助成金パンフレット(令和8年度(2026年度)版)」
要件は2点です。①受講中にリアルタイムで質疑応答が行えること、②一方的な動画視聴(録画講義)ではないこと。ZoomやTeamsを使い、講師と受講者がリアルタイムでやり取りしながら進める研修は、この要件を満たします。
制度上の扱いは「対面研修と同等」。これがeラーニングとの決定的な違いです。eラーニングは自己ペース型の学習であり、労働時間の管理確認が困難という理由から賃金助成の対象外とされています。
20名・30時間AI研修での助成額比較(1人あたり40万円の場合/リスキリング支援コース・中小企業)
1人あたり40万円(税込)の30時間AI研修・20名で試算します(研修費用合計800万円、コースはリスキリング支援コース・中小企業・通常時)。
| 比較項目 | Zoomライブ(同時双方向型) | eラーニング |
|---|---|---|
| 経費助成率 | 75% | 75% |
| 経費助成の上限 | 30万円/人(10〜100時間未満) | 15万円/人(令和8年(2026年)4月改正後) |
| 経費助成額 | 800万円×75%=600万円(上限20名×30万円=600万円ぴったり) | 800万円×75%=600万円→上限300万円(15万×20名)に切り捨て |
| 賃金助成(研修中の賃金補填) | 30h×1,000円×20名=60万円 | 0円(対象外) |
| 経費の実質負担 | 200万円(800万−600万) | 500万円(800万−300万) |
| 合計助成額 | 660万円 | 300万円 |
| Zoomライブの優位性(差額) | +360万円 | — |
同じ内容の研修を、Zoomライブで設計するだけで合計360万円多く助成を受け取れます。 内訳は経費助成の上限差(300万円)と賃金助成(60万円)です。経費の実質負担は200万円 vs 500万円——同じ研修内容・同じ費用でも、形式の選択だけで300万円の差が生まれます。
混合コースの落とし穴
注意すべきは「ZoomライブとeラーニングをMixしたコース」です。厚生労働省パンフレット(令和8年4月8日版)p.25 Q&A1によれば、「通学制等」と「eラーニング等」を組み合わせて事業内訓練を実施する場合は「通学制等」の部分のみ助成対象となります。つまり、Zoomライブ部分のみが助成対象となり、eラーニング部分は助成されません。
Zoomライブとeラーニングを組み合わせると、eラーニング部分が助成対象外となります。Zoom部分は通学制扱い(上限30万円・賃金助成あり)のまま助成されますが、eラーニング部分の費用は助成されないため、コース全体の実質助成額が下がります。
助成を最大化するには、「Zoomライブ完結型」で設計することが鉄則です。「予習はeラーニングで、授業はZoomで」という設計は便利に見えますが、eラーニング分の費用は助成対象外になるため、助成金の観点からは全体をZoomライブで完結させる設計が最適です。
【令和8年(2026年)4月最新】申請前に知っておくべき制度改正4点
令和8年(2026年)4月8日に施行された改正を、担当者として知らないと申請で失敗します。特に最初の2点は重要です。
①事前確認廃止——「受付 ≠ 承認」の落とし穴
これが最も見落とされている改正です。令和7年(2025年)4月1日 より計画届の「確認・受理行為」が廃止され、労働局の窓口は受付のみとなりました。厚生労働省「人材開発支援助成金」
つまり、以前は計画届を提出すると担当者が内容を確認した上で「受理」していました。これが要件適合の一種の事前確認になっていました。改正後はそれがなくなり、支給・不支給の審査はすべて支給申請時(研修終了後)に行われます。
「計画届が受付された = 助成金の支給が確約された」は、改正後の制度では完全に誤りです。受付されても、申請時に要件不備が発覚すれば全額不支給になります。初回申請の企業は、計画届提出前に管轄労働局へ事前相談(窓口相談は存在する)し、要件の確認を自ら行う必要があります。
②中小企業判定タイミングの変更
旧制度では「計画届提出時」に中小企業かどうかを判定していました。改正後は支給申請時の企業規模で判定されます。
成長途中の企業には有利なケースがあります。計画届を出した段階では大企業に近い規模だったとしても、支給申請時に中小企業基準を下回っていれば中小企業として75%の助成率が適用されます。一方、逆もあります——計画届時は中小企業だったが、申請時に大企業判定になれば助成率が下がります。成長著しい企業は自社の規模推移を意識しておく必要があります。
③eラーニング上限引き下げ(令和8年(2026年)4月8日施行)
厚生労働省パンフレット(令和8年4月8日版)p.2の表に基づき、令和8年4月8日施行の改正により、eラーニング・通信制訓練の経費助成上限が中小企業で一律15万円/人に引き下げられました(大企業は10万円/人)。
この改正により、Zoomライブ(上限30万円/人・賃金助成あり)とeラーニング(上限15万円/人・賃金助成なし)の差がさらに拡大しました。前セクションで示した360万円の差のうち、経費助成の上限差(300万円分)はこの改正以降に生まれた差です。
④テレワーク規定の提出は現在不要
現行の厚生労働省パンフレット(令和8年4月8日版)では、ZoomやTeamsを使ったオンライン研修(同時双方向型)を実施する際に、企業のテレワーク規定・就業規則等の提出は申請要件に含まれていません。
テレワーク規定が整備されていない中小企業でも、Zoomライブ研修の助成申請は可能です。ただし、具体的な提出書類については、申請前に管轄の都道府県労働局へ事前確認することをお勧めします。
申請の全手順——5ステップで完了
申請5ステップのタイムライン
Step 1: 事業展開等実施計画の作成(研修開始の6〜1ヶ月前)
「様式第2号 事業展開等実施計画」を作成します。記載の核心は「この研修がなぜ自社の事業展開・DX化に必要か」の説明です。
AI研修の場合、以下のような記載が実務上認められている:
- 「ChatGPTを活用した見積書・報告書の自動作成によるDX化推進のためのOFF-JT」
- 「生成AI導入による業務プロセス変更と、それに必要なAI活用スキルの習得」
- 「AI自動化ツールによる社内業務のデジタル化推進を目的とした人材育成」
避けるべき記載は「従業員のITリテラシー向上のため」のような、事業展開との関連性が弱い目的の表現です。あくまで「DX化という事業変革のための研修」という文脈で一貫させます。
計画書に記載する訓練の詳細(訓練内容・時間・形式・費用)は、実際の研修内容と一致している必要があります。後から変更する場合は労働局への届出が必要なため、提出前に研修プログラムを確定させておくことが重要です。
Step 2: 計画届の提出(研修開始の1ヶ月前まで)
作成した実施計画を、管轄の都道府県労働局へ提出します。
愛知県内で研修を実施する場合は愛知労働局、岐阜県なら岐阜労働局、三重県なら三重労働局、静岡県なら静岡労働局が申請窓口です。
提出期限は「訓練開始日の1ヶ月前まで」。この期限を1日でも過ぎると、対象外となり取り返しがつきません。余裕を持って、研修開始の2〜3ヶ月前には計画届の準備を始めることを推奨します。
繰り返しになりますが、受付されても内容審査は行われません。厚生労働省「人材開発支援助成金」の制度説明にある通り、支給・不支給の審査はすべて支給申請時(研修終了後)に行われます。「受付 = 助成確定」ではないことを肝に銘じてください。
Step 3: 研修の実施(出席記録を徹底)
研修中に最も重要な業務は「記録の保管」です。支給申請時の審査に使う証跡がここで作られます。
Zoomライブ研修で必要な記録:
- 署名入り出席簿(研修ごとに参加者全員が署名)
- Zoom参加ログ(参加者レポート:タイムスタンプ付き。Zoomのレポート機能からエクスポート可能)
- 研修プログラム・カリキュラム(計画届に記載した内容と一致しているか確認)
- 訓練費用の領収書・支払い証明
Zoomライブが「同時双方向型」として認定されるには、双方向性の証明が必要です。各セッションで質疑応答タイムを設け、受講者がカメラ・マイクで参加できる環境で実施することが求められます。
Step 4: 支給申請(研修終了後2ヶ月以内)
研修が終了したら、2ヶ月以内に支給申請を行います。この期限も厳守です。
提出書類の主な内訳:
- 支給申請書(様式第7号等)
- 訓練実施記録(出席簿・Zoom参加ログ等)
- 賃金台帳・出勤簿(賃金助成を申請する場合)
- 訓練費用の領収書・請求書
- 受講者の雇用保険加入証明
審査には通常3〜6ヶ月程度かかります。この期間は問い合わせが来ることもあるため、提出書類のコピーを手元に保管しておいてください。
Step 5: 助成金の受取と事後手続き
審査が完了すると、指定口座に助成金が振り込まれます。なお、支給後に要件違反が発覚した場合は返還を求められます。不正受給の防止という観点から、厚生労働省の調査も近年強化されています。
PLUS IMPACTの基礎研修で試算——実質いくら払えばいい?
「実際のところ、自社でいくら払えばいいのか」という問いに直接答えます。
PLUS IMPACT基礎研修(Zoomライブ・11時間)での助成シミュレーション
PLUS IMPACTの生成AI活用 基礎研修は、2日間・11時間のZoomライブ形式です。費用はZoom受講1人あたり380,000円(税込)。10時間以上100時間未満の区分が適用されるため、経費助成上限は30万円/人となります。
| 受講人数 | 研修費(税込) | 経費助成額 | 賃金助成額 | 実質負担 | 1人あたり実質 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1名 | 380,000円 | 300,000円(上限) | 11,000円(11h×1,000円) | 84,000円 | 84,000円(約22%) |
| 5名 | 1,900,000円 | 1,425,000円(5名×28.5万) | 55,000円 | 420,000円 | 84,000円(約22%) |
| 10名(10%割引) | 3,420,000円 | 2,565,000円(10名×25.65万)※ | 110,000円 | 745,000円 | 74,500円(約22%) |
※10名10%割引後の1人あたり料金342,000円に対して経費助成率75%=256,500円(上限30万円以下なので256,500円適用)。10名合計2,565,000円。実質負担 = 3,420,000 − 2,565,000 − 110,000 = 745,000円(約22%)
Zoomライブ11時間の研修で、1人あたりの実質負担が約8万円台まで下がります。 38万円の研修費が実質8万円台というのは、多くの経営者が想定している数値より大幅に低いです。これが「助成金を使ったAI研修」の実態です。
賃上げ要件を満たした場合の上乗せ
リスキリング支援コースでは、賃上げ要件を達成しなくても賃金助成1,000円/hが適用されます。上表の数値がそのまま受け取れる金額です。
賃上げ要件は助成金受取の条件ではなく、あくまでも企業の経営判断の話です。AI研修で生産性が向上した結果として賃金を引き上げる場合、それはビジネス上の自然な流れとして捉えればよいでしょう。
助成金の活用方法については、研修お申し込み前のご相談にお応えしています。詳細はお気軽にお問い合わせください。
申請に失敗しないための注意点5選
①計画届の提出を忘れると一発アウト
研修を実施する前に計画届を提出していなければ、助成金の申請資格は生まれません。「研修が終わってから申請しよう」という発想では間に合いません。研修開始の1ヶ月前という期限は絶対に守る必要があります。「期限を過ぎてしまった場合の特例措置はないか」という問い合わせも多いですが、原則として救済措置はありません。
②「受付 = 承認」ではない(再度強調)
令和7年(2025年)4月に事前確認制度が廃止されたため、計画届を受け付けてもらっただけでは助成金の支給は確約されません。要件を満たすかどうかは支給申請時の審査まで分かりません。特に「事業展開等実施計画の記載内容と実際の研修内容のズレ」が支給拒否の主要因になります。計画届の内容通りに研修を実施し、その証跡をきちんと残すことが重要です。
③eラーニング混在コースで上限が下がるリスク
前述の通り、Zoomライブとeラーニングを組み合わせたコースはeラーニング扱いになる可能性があります。この場合、上限が15万円/人に下がり、賃金助成も消えます。オンラインで研修を設計する場合は「Zoomライブ完結型」が大原則です。eラーニングを1コマでも混在させると、それだけで上限15万円・賃金助成なしに転落する可能性があります。
④関連会社への研修費用は助成対象外
令和8年(2026年)4月改正で明確化された事項として、申請事業主と密接な関係にある者への研修費用は助成対象外です。具体的には:
- 代表者等の配偶者・3親等以内の親族への講師謝金
- 親会社・子会社への施設・設備の借上費
- 代表者等が代表を務める教育訓練機関への受講料
グループ企業内研修や家族経営の研修機関への支払いで助成を申請しようとすると対象外になります。外部の研修機関(PLUS IMPACTのような専門事業者)への受講料であれば問題ありません。
⑤訓練時間の不足(最低10時間要件)
定額制サービスによる訓練(eラーニング等)では、個人ごとに10時間以上の完了が必要という要件が令和8年(2026年)改正で厳格化されました。Zoomライブ研修でも、カリキュラム全体を通じて最低10時間以上の実訓練時間を確保することが求められます。11時間の基礎研修はこの要件をクリアしていますが、自社でカスタム研修を設計する場合は時間数の設計に注意が必要です。
最新の要件・申請様式は厚生労働省 人材開発支援助成金の公式ページで随時確認できます。
よくある質問
Q1: 「事業展開」が弱い中小企業でも申請できますか?
AI導入によるDX化は、製造業・建設業・士業・不動産業など東海エリアの幅広い業種で「事業展開」として認められています。重要なのは「AI研修を受けることで、社内のどの業務・どのプロセスがどのように変わるか」を具体的に計画書に記載することです。「ChatGPTで報告書作成を自動化する」「AI活用によるペーパーレス化を推進する」といった具体的な内容であれば、多くのケースで要件を満たします。不安な場合は管轄の労働局窓口への事前相談か、社労士への相談を活用してください。
Q2: Zoomで研修すれば賃金助成が自動的に受けられますか?
Zoomライブであっても、「同時双方向型」として証明できる記録を残すことが必要です。具体的には、署名入り出席簿・Zoom参加ログ(タイムスタンプ付き)・各セッションでの質疑応答の実施が求められます。「Zoomで繋ぎっぱなしにして録画を流しただけ」という形式はeラーニング扱いになるリスクがあります。講師が実際にリアルタイムで対応し、受講者との双方向的なやり取りがある研修形式であることを記録で示す必要があります。
Q3: いつまでに申請すれば2027年3月末の制度終了に間に合いますか?
事業展開等リスキリング支援コースを利用するには、訓練終了後2ヶ月以内に支給申請を提出する必要があります。2027年3月末の制度終了(廃止予定)に間に合わせるには、遅くとも2026年12月末までに研修を終了し、2027年2月末までに支給申請を提出する必要があります。さらに計画届は訓練開始の1ヶ月前までの提出が必要なため、実質的には2026年11月末頃までに計画届提出を完了しておくことが安全です。2026年度の後半は申請が集中する可能性も高いため、早め早めに準備を進めることを強く勧めます。
まとめ
この記事で伝えた核心は3点です。
第一に、AI研修を実施する中小企業はリスキリング支援コース一択。 助成率75%という数字は、人材育成支援コースの45%と比べて圧倒的です。100万円の研修費なら30万円の差になります。「事業展開等実施計画の作成が必要」という一手間を惜しんで、30〜数百万円の助成金を取りに行かない理由はありません。
第二に、Zoomライブで設計することが助成最大化の鍵。 同じリスキリング支援コースを使っても、eラーニングで研修を組むと経費助成の上限が半減し賃金助成も消えます。1人あたり40万円・20名・30時間の場合で360万円の差が生まれます。これは研修形式を選ぶだけで決まります。
第三に、令和7年(2025年)4月施行の「受付 ≠ 承認」を肝に銘じてください。 事前確認制度の廃止により、計画届が受け付けられても助成金の支給は確約されません。申請時の審査で落ちれば全額不支給です。要件の確認は自己責任で行う時代になりました。
2027年3月末、リスキリング支援コースは廃止されます。東海エリアで75%助成を受けながらAI研修を実施できる機会は、実質2026年度が最後です。
名古屋・愛知を中心に、岐阜・三重・静岡への出張研修にも対応しています。助成金の活用方法や研修内容についてご相談がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
人材開発支援助成金の全体像(助成額シミュレーション・他のコース比較・よくある質問)については、AI研修で使える人材開発支援助成金の完全ガイドで詳しく解説しています。
【免責事項・情報の鮮度について】
本記事の助成金・補助金情報は令和8年度(2026年度)時点の情報を基に作成しています。制度の内容・助成率・上限額・要件等は年度ごとに変更される場合があります。申請前には必ず厚生労働省公式サイトおよび管轄のハローワーク・都道府県労働局にて最新情報をご確認ください。本記事の情報をもとに生じた損害について、当社は一切の責任を負いかねます。


