「愛知県のDX補助金でAI研修費が出ると思っていませんか?」——名古屋・愛知の中小企業を支援する現場で、この誤解は繰り返し出てきます。結論から言うと、AI研修費(受講料・講師費)に使えるのは国の人材開発支援助成金だけです。愛知県・名古屋市のDX補助金は対象外と明記されています。
この記事では、次の3点を名古屋・愛知に特化した情報で解説します。
- 県・市の補助金がAI研修費に使えない正確な理由と、正しい制度の選び方
- 人材開発支援助成金の仕組みと、愛知県での具体的な申請窓口・手順
- 愛知の製造業中小企業が30〜100名規模でAI研修を実施した場合の実質負担シミュレーション
§1 愛知県・名古屋市の補助金は「AI研修費」に使えない(重要)
よくある誤解 — DX補助金でAI研修費が出ると思っていた
「DX補助金を申請すれば、社員のAI研修費も出るはずだ」。名古屋・愛知の中小企業を支援する現場で、この誤解は毎年のように繰り返されます。「デジタル化」「AI」「研修」という言葉が補助金名称に入っているせいで、同じ制度だと思い込む経営者が後を絶ちません。
実際には、愛知県・名古屋市・経産省が所管するDX系補助金と、厚生労働省が所管する人材開発支援助成金は、制度の目的も申請窓口も、支援する経費の種類もまったく異なります。省庁が違う。窓口が違う。そして対象経費も違う——この3つを最初に理解しておくだけで、ミスは防げます。
令和8年度(2026年度)中小企業デジタル化・DX促進補助金(愛知県)の公募要領には、対象外経費として次の記載があります。
「従業員の研修費用(スキルアップや能力開発のための研修費用など)」は補助対象外(コンサルティング費の対象外として明記)
つまり、AI研修の受講料・外部講師費・スキルアップ目的の研修費は、愛知県DX補助金で申請しても採択後に対象外と判断されます。事前に知っておかなければ、採択の喜びが後日の返還請求に変わりかねません。
唯一の例外は「導入したデジタルツールの操作方法を習得するための研修委託費」です。これは、補助対象のツール導入とセットで申請するもので、汎用的なAI活用研修プログラムとは別物です。
愛知県・名古屋市の補助金制度の対象経費(比較表)
| 制度名 | 上限 | AI研修費 | ツール・ソフト導入費 |
|---|---|---|---|
| 愛知県 中小企業デジタル化・DX促進補助金 | 200万円 | ❌ 対象外(公募要領に明記) | ✅ 対象(区分B/C) |
| 名古屋市 中小企業デジタル活用支援補助金 | 100〜150万円 | ❌ 対象外(事実上) | ✅ 対象(ソフトウェア等導入費) |
| 国 デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 最大450万円 | ❌ 実質対象外 | ✅ 対象(クラウド利用料等) |
| 国 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 1事業所あたり1億円/年 | ✅ 対象(中小企業75%助成) | ❌ 対象外 |
名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金は令和8年(2026年)4月15日より申請受付を開始しており、対象経費はソフトウェア等導入費・設備費・ロボット導入費です。AI研修費を対象とする記載はなく、制度構造上も研修受講料は対象外と判断されます。
なぜ省庁ごとに対象が違うのか(2行で理解)
シンプルな構造があります。経産省・県・市の補助金は「ツール・システム導入による生産性向上」が目的。厚労省の助成金は「人材育成・研修支援」が目的。
対象経費が異なる制度を同時申請することは、二重申請に該当しないため原則として可能です。つまり、「DX補助金が使えない」で終わらせるのはもったいない。AI研修費は助成金で、ツール費はDX補助金でと、費用を分けて2制度を同時活用することが正解です。この組み合わせ戦略については§3で詳しく解説します。
3制度の使い分け — 経費ごとに申請先を変える
(リスキリング支援)
(デジタル化支援)
(中小企業向け)
§2 AI研修費に使える唯一の手段 — 人材開発支援助成金
AI研修費に使える公的支援は一本しかありません。厚生労働省「人材開発支援助成金」の中の「事業展開等リスキリング支援コース」です。ここを間違えると、計画届の段階から書類を出し直すことになります。
特に混同しやすいのが「人材育成支援コース」です。名前は似ていますが、助成率も対象経費も別物。「リスキリング支援」か「人材育成支援」か——この一言の違いが、書類のどの欄に何を書くかを変えてしまいます。あいち雇用助成室に電話する前に、正式コース名を紙に書いて手元に置いておくことを勧めます。
制度の概要(愛知県中小企業向け)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式コース名 | 事業展開等リスキリング支援コース |
| 経費助成率(中小企業) | 75%(大企業は60%) |
| 経費助成上限(10〜100時間未満) | 30万円/人 |
| 経費助成上限(100〜200時間未満) | 40万円/人 |
| 賃金助成(中小企業) | 1,000円/時間(令和7年(2025年)4月改正で960円から引き上げ) |
| 制度の有効期限 | 2027年3月末まで |
| 1事業所あたり年間上限 | 1億円 |
賃金助成については、令和7年(2025年)4月改正で960円/時間から1,000円/時間に引き上げられています。リサーチ記事や古い情報で「800円/時間」という数字を見かけることがありますが、これは「人材育成支援コース」の数値です。リスキリング支援コースには適用されないため、シミュレーション計算の際は必ず1,000円で計算してください。
また、令和8年(2026年)4月8日の制度改正により、eラーニング・通信制訓練の上限は中小企業15万円/人に引き下げられました。ただし、PLUS IMPACTが提供するZoomライブ研修は「同時双方向型の通信訓練」として通学制と同扱いとなるため、通常の30万円/人の上限が適用されます。
愛知県でAI研修助成金を使った場合のシミュレーション(基礎研修・Zoomライブ・中小企業)
PLUS IMPACTの生成AI活用 基礎研修(2日間・11時間、Zoomライブ受講の場合380,000円/人)を例に計算します。研修時間11時間は10〜100時間未満の区分に該当し、経費助成上限は30万円/人です。
- 1名受講: 経費助成285,000円+賃金助成11,000円 → 実質84,000円(約22%)
- 5名受講: 経費助成1,425,000円+賃金助成55,000円 → 実質420,000円(84,000円/人)
- 10名受講(10%ディスカウント適用): 経費助成2,565,000円+賃金助成110,000円 → 実質745,000円(74,500円/人)
1名でも5名でも、1人あたりの負担は約22%でほぼ変わりません。10名以上になるとボリュームディスカウントが加わり、さらに下がります。つまり「何人集めるか」よりも「申請を確実に通すか」のほうが費用への影響は大きい。人数の議論より書類準備を先に始めるべき理由です。
「AI研修は高い」。そのイメージは正しく助成金を使うと崩れます。実質自己負担は約22%まで圧縮できます。制度の仕組みや申請ステップの全体像についてはAI研修 助成金の制度説明と申請ステップ完全ガイドをご参照ください。
§3 正しい組み合わせ戦略 — 助成金×補助金を同時に使う方法
「愛知県のDX補助金はAI研修費に使えない」——この事実は、読み方を変えるとチャンスです。対象経費が制度ごとにきっちり分かれているということは、経費ごとに申請先を変えれば複数制度を合法的に同時活用できる、ということでもあります。
経費を分けることで、3制度を同時活用できる
| 経費の種類 | 申請すべき制度 | 補助率 |
|---|---|---|
| AI研修の受講料・講師費 | 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 最大75%(中小企業) |
| AIツール(Microsoft 365 Copilot等)ライセンス費 | デジタル化・AI導入補助金(クラウド利用料として最大2年分) | 最大2/3〜4/5 |
| AIシステム構築・DXコンサル費 | 愛知県DX補助金(区分B/C) | 1/2〜2/3 |
「同一経費への二重申請は不正受給」——この原則だけ押さえておけば、あとはシンプルです。AI研修費、ツールのライセンス費、システム開発費はそれぞれ性質の違う経費。証憑(領収書等)ごとに「どの制度で申請するか」を最初から決めて管理すれば、3制度の同時活用に問題はありません。混ぜない、重ねない——それだけです。
同時申請のスケジュール管理
2制度以上を同時並行で申請する場合、スケジュール管理が勝負です。先に動かすべき制度は明確です。
人材開発支援助成金の計画届を最初に動かす——これが鉄則です。研修開始の6ヶ月前〜1ヶ月前の間に愛知労働局へ提出しなければならず、これを過ぎると助成金全体が対象外になります。愛知県DX補助金の公募は年1回(例年4〜6月が多い)なので、計画届の提出後にツール導入のスケジュールを合わせていく形が現実的です。
整理すると:①AI研修の実施時期を先に決める→②計画届の提出期限を逆算する→③ツール導入はDX補助金の公募時期に合わせる。この順番を崩すと、助成金の計画届が間に合わなくなります。
§4 愛知県でAI研修助成金を申請する場合の窓口と手順
「管轄の都道府県労働局に相談してください」。全国向けの助成金解説記事にはこう書いてあります。しかし愛知県で実際に申請しようとすると、その「都道府県労働局」がどこにあるのか、どの係に電話すればいいのか——ここでつまずく経営者が多い。この章ではその具体的な答えだけを書きます。
申請窓口 — あいち雇用助成室
人材開発支援助成金の愛知県担当窓口はあいち雇用助成室(第一係)です。愛知労働局の本庁舎(三の丸・名古屋合同庁舎第二号館)とは別の場所にあります。初めて電話する前に住所を確認してから訪問することをお勧めします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口名 | あいち雇用助成室 第一係 |
| 電話番号 | 052-688-5758 |
| FAX | 052-688-5759 |
| 住所 | 〒460-0003 名古屋市中区錦二丁目14番25号 ヤマイチビル11階 |
| 受付時間 | 8:30〜17:15(土日祝・年末年始を除く) |
計画届の提出先もあいち雇用助成室です。ハローワーク(公共職業安定所)ではありませんのでご注意ください。労働局への直接提出が難しい場合は、所轄のハローワーク経由または郵送でも受付けています。出典: 愛知労働局「人材開発支援助成金について」
申請の流れ(愛知県版 7ステップ)
STEP 1: 事前相談
あいち雇用助成室(052-688-5758)への電話相談を推奨します。「AI研修でリスキリング支援コースを使いたいが、何から始めればいいか」と聞けば担当者が案内してくれます。並行して、電子申請を選択する場合はGビズIDプライムの取得を始めてください(オンライン即日〜書類郵送で約1週間)。
STEP 2: 計画届の提出
訓練開始日の6ヶ月前〜1ヶ月前の間に提出します。この期間外に提出した場合は対象外となるため、研修スケジュールを決めたら真っ先に逆算してください。
主な提出書類は以下のとおりです。
- 訓練実施計画届(様式第1号)
- 年間職業能力開発計画
- 事業展開等実施計画(リスキリング支援コース独自の書類。新規事業展開とAI研修の関連性を具体的に記載する必要があります)
- 受講者一覧(様式第4-1号)
STEP 3: 計画受付(不備があれば補正通知)
令和7年(2025年)改正により、計画届の「受理確認」制度は廃止されました。提出後、不備がなければそのまま受け付けられます。不備がある場合は補正通知が届きますが、補正期限を過ぎると不支給になるため、速やかに対応してください。
「計画届を出したから助成金は確実にもらえる」は誤りです。支給可否の審査は、訓練終了後の支給申請時に行われます。計画届はあくまで事前届出であることを理解したうえで進めてください。
STEP 4: 研修の実施
計画に沿って研修を実施します。この段階で最も重要なのは記録管理です。出勤簿・受講記録(OFF-JT実施状況報告書)を日別に正確につけてください。2024年の会計検査院による1億円超の不適切支給指摘を受け、審査が厳格化されています(出典: 会計検査院「令和6年度決算検査報告」)。「業務時間中の受講であること」が書類から明確に読み取れないケースが差し戻しの原因になっています。
STEP 5: 支給申請の提出
訓練終了日の翌日から2ヶ月以内が提出期限です。この期限は厳守です。三点セット(請求書・領収書・振込証明書)がすべてそろっているか確認してから提出してください。
STEP 6: 審査
審査期間の目安は最短2〜6ヶ月、長い場合は1年程度です。申請から入金まで半年以上かかることを前提に、資金繰りの計画を立てておくことを推奨します。
STEP 7: 入金
支給決定通知書が届いてから、約2〜3週間で指定口座へ入金されます。
電子申請 vs 紙申請(愛知企業向け比較)
| 比較軸 | 電子申請 | 持参・郵送(紙) |
|---|---|---|
| 利便性 | 24時間・場所不問 | 受付時間内に訪問または郵送 |
| 初期コスト | GビズIDプライム取得(無料) | なし |
| 不備発覚 | 提出後、通知が遅れる可能性あり | 持参なら当日担当者に確認してもらえる |
| 重要な制限 | 紙で始めたら電子に切替不可 | 制限なし |
最も重要なのは、計画届を紙で提出した場合、同一訓練の支給申請を電子申請に切り替えることができないという点です(出典: 厚生労働省「雇用関係助成金ポータル」 https://joseikin.mhlw.go.jp)。申請開始前に、電子か紙かを決めてから動き始めてください。
初めての申請で不備リスクを下げたい場合は、事前に電話でアポを取ったうえで書類を持参し、その場で担当者に確認してもらう方法も有効です。
申請フローのさらに詳しい手順とコース選択の方法は人材開発支援助成金 コース選択から申請完了まで完全ガイドをあわせてご参照ください。
§5 愛知・東海の製造業が助成金でAI研修を導入した場合のROI試算
なぜ愛知の製造業こそAI研修が急務か
愛知県の製造業は、日本全体の15.5%にあたる出荷額58兆円・従業者84万5,283人を誇ります(経済産業省「2024年経済構造実態調査(製造業)」)。この規模感は裏を返すと「課題が大きい」ということでもあります。
AI活用製造業の60%が生産性向上を実感しています(CADDi、2025年5月・n=300)。一方、300人未満の中小製造業で全社的にAI導入できているのはわずか1.3%(中小企業基盤整備機構、2024年12月)。60%と1.3%——この数字の開きが、愛知の製造現場で今起きていることです。
トヨタグループの1次・2次サプライヤーが密集する愛知においては、この差は「競争力」に直結します。大企業が品質検査や需要予測にAIを本格活用し始めている中、取引先として同水準の生産性を求められる日は遠くありません。助成金を使える2027年3月末までが、コスト面で最も動きやすいタイミングです。
規模別 実質負担シミュレーション(製造業中小企業)
以下は、愛知県の製造業中小企業がZoomライブ研修(通学制扱い・経費助成上限30万円/人)と組み合わせてAI研修を実施した場合の概算試算です。研修設計は、eラーニング10時間+集合研修10時間の計20時間(10〜100時間未満の区分)を前提にしています。
前提条件: 経費助成率75%(中小企業)、上限30万円/人 / 賃金助成1,000円/時間(令和7年(2025年)改正後) / 研修時間20時間
| パターン | 研修費総額(概算) | 経費助成 | 賃金助成 | 実質負担(概算) | 1名あたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 30名 | 100万円 | 75万円 | 60万円 | 約▲35万円〜+25万円※ | 0〜8,300円 |
| 50名 | 160万円 | 120万円 | 100万円 | 約0〜40万円 | 0〜8,000円 |
| 100名 | 300万円 | 225万円 | 200万円 | 約75〜115万円 | 7,500〜11,500円 |
※ 概算。実際の助成額は申請内容・審査結果により異なります。経費助成が研修費を上回るケースは、実質負担0円として計算しています。
規模別 実質負担シミュレーション(中小企業・経費75%助成)
30名規模で実施した場合、1名あたりの実質負担は0〜8,300円程度。30人を研修しても、1人あたりのコストはランチ数回分という水準です。研修費が助成金の対象になることで、「初期投資の回収」という議論自体がほぼ消えます。
製造業でのAI研修で期待できる具体的な効果
製造現場でAIが最初に使われる場所はほぼ決まっています。外観検査——カメラで不良品を自動検出する用途が筆頭で、次いで需要予測、予知保全が続きます。「人の目と経験」に依存してきた判断をAIに置き換えていく流れです。
ただし、いずれも「最初から社内でAIを内製開発する」話ではありません。研修が担うのは、その前の段階——「AIで何ができるかを知り、自社のどの工程に当てはめられるかを考える力を身につける」ことです。ビットツーバイトの事例では、画像認識AIの研修後に自社開発へ踏み切った中小製造業が、検査スピード3割向上・年間400万円のコスト削減を実現しています(同社公表値)。研修→内製化という流れは、愛知の製造業でも再現できます。
PLUS IMPACTに研修を依頼いただいた建設会社(40名規模)では、現場音声メモをAIで日報に自動整形する仕組みを導入し、日報作成時間を30分から5分に短縮しました。製造業でも同様の変化は確実に起きます。
§6 申請でよく起きる失敗と対策
愛知労働局での差し戻し事例トップ3
愛知労働局での差し戻しには傾向があります。3つに絞って解説します。
1. 「事業展開等実施計画」の記載不足
リスキリング支援コースには、他のコースにない独自書類があります。「新規事業展開とAI研修の関連性」を具体的に記載する計画書です。書き方の要点は一つ——「なぜ自社がこの研修を必要とするか」を事業の言葉で説明すること。「AIを活用した業務効率化を新事業領域として展開するため」という一文があるだけで審査の印象は変わります。逆に「スキルアップのため」「生産性向上のため」という一般論では関連性の薄さを突かれる可能性があります。
2. 計画変更の無届け
日程・受講者・実施場所——この3つのどれかが変わったとき、何も届け出なかった場合は全額不支給になります。「少しの変更だから連絡不要だろう」という判断が最終的に大きな損害につながります。変更が確定した時点で即座にあいち雇用助成室(052-688-5758)に電話する習慣をつけてください。
3. 支給申請の三点セット不完備
支給申請時には「請求書・領収書・振込証明書」の三点が必要です。どれか一つでも欠けると審査が止まります。特に振込証明書(銀行振込の場合は振込明細書・振込受付票等)は用意を忘れやすいので、研修費を支払ったタイミングで必ず保管してください。
2024年会計検査院指摘後の審査強化
2024年、会計検査院が人材開発支援助成金の不適切支給を1億円超と指摘しました。これ以降、愛知労働局を含む全国の窓口で審査が明らかに厳格化しています。「以前は通った」という感覚は当てにならなくなっています。
審査で特に見られるのは「訓練費用が企業側から確かに支払われたことを証明する書類の整合性」です。研修会社との契約書・請求書・領収書・銀行振込明細の金額・日付・宛先が一致していることが前提となります。一か所でもズレがあると審査が止まります。
また、制度上の重要な留意点として、自社グループ内研修や代表者と密接な関係にある研修機関への支払いは助成対象外と令和8年(2026年)4月8日の改正で明確化されました。外部の独立した研修会社へ正規の費用を支払う形が原則です。
社労士に申請代行を依頼する場合、愛知エリアの相場は着手金0〜15万円+成功報酬10〜30%が目安です。初回申請で書類の全体像を把握するために専門家に依頼することは、費用対効果の観点から検討に値します。
§7 まとめ — 愛知県でAI研修助成金を最大活用する3ステップ
愛知の経営者が「明日から動ける」3点に絞って整理します。
ステップ1: 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象確認と計画届の準備
DX補助金ではなく、厚労省の助成金が研修費の正しい申請先です。研修開始の6ヶ月前〜1ヶ月前に計画届を愛知労働局(あいち雇用助成室 052-688-5758)に提出することが第一歩です。「事業展開等実施計画」の記載を丁寧に準備することが採否を左右します。
ステップ2: AIツール導入費は別途DX補助金で申請
AI研修費と、Microsoft 365 CopilotなどのAIツールのライセンス費・システム構築費は別経費として切り分けます。ツール費はデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や愛知県DX補助金(区分B/C)で申請することで、2制度の同時活用が可能です。スケジュール管理を早めに始めてください。
ステップ3: 不明点はあいち雇用助成室またはAI研修会社への相談から
制度の詳細や自社が対象になるかどうかの確認は、あいち雇用助成室(電話: 052-688-5758)が窓口です。申請書類の書き方や進め方に不安がある場合は、社労士への依頼も選択肢に入れてください。
名古屋・愛知を拠点に、岐阜・三重・静岡への出張研修にも対応しています。「自社の規模で助成金がいくら出るか」「どの書類から準備すればいいか」といった具体的なご相談は、PLUS IMPACTへお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q. 愛知県のDX補助金でAI研修費は出ますか?
出ません。愛知県の「中小企業デジタル化・DX促進補助金」の公募要領には、「従業員の能力開発研修費用(スキルアップ目的)は補助対象外」と明記されています。名古屋市の「中小企業デジタル活用支援補助金」も同様に、対象経費はソフトウェア等導入費・設備費のみで、研修受講料・講師費は対象になりません。AI研修費には国の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を活用してください。
Q. 愛知県でAI研修助成金を申請するにはどこに連絡すればいいですか?
愛知労働局の「あいち雇用助成室(第一係)」が窓口です。電話番号は052-688-5758、住所は名古屋市中区錦二丁目14番25号 ヤマイチビル11階(受付時間: 8:30〜17:15、土日祝除く)です。ハローワークではなく、あいち雇用助成室に直接お問い合わせください。三の丸の労働局本庁舎とは場所が異なる点にご注意ください。
Q. 愛知の製造業ですが、AI研修に助成金は使えますか?
使えます。人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)に業種制限はなく、製造業も対象です。中小企業であれば経費の75%が助成され、賃金助成(1,000円/時間)も加わります。従業員30名規模でAI研修を実施した場合、1名あたりの実質負担が0〜8,300円程度になる試算もあります(研修費・研修時間・申請内容によって異なります)。
【免責事項・情報の鮮度について】
本記事の助成金・補助金情報は令和8年度(2026年度)時点の情報を基に作成しています。制度の内容・助成率・上限額・要件等は年度ごとに変更される場合があります。申請前には必ず厚生労働省公式サイト・愛知県公式サイト・名古屋市公式サイトおよび管轄のハローワーク・都道府県労働局にて最新情報をご確認ください。本記事の情報をもとに生じた損害について、当社は一切の責任を負いかねます。


